平成19年度 重要改正−役員給与@−

  
   役員給与の改正@

     
     平成18年度の改正において、役員給与に関する規定が大幅に改正されました。具 
     
  体的には、改正前のように役員給与の外形的な支給形態に着目するのではなく、あら 
     
  かじめ役員給与の支給時期・支給額がさだめられており、恣意性が排除されているか 
     
  どうかにより損金算入の可否を区別することとされました。法人税法上、法人がその役
     
  員に対して支給する給与のうち次に掲げる給与については損金の額に算入することと 
     
    されています。(法34@)

      @定期同額給与(同一号)

      A事前確定届出給与(同二号)

      B損金の額に算入することができる利益連動給与(同三号)


     この改正は平成18年4月1日以後開始する事業年度から適用されていますが、更に 
    
    平成19年度において定期同額給与の要件、臨時改定事由等の改正また事前確定届出 
    
    給与の届出期限等の改正が行われましたので比較検討して見たいと思います。

     
     平成19年度の改正は平成19年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。
    
    1 定期同額給与の改正                  

 分
18年度改正
19年度改正
@
 通
 常
 改
 定
  「当該事業年度開始の日の属す
  る会計期間開始の日から3月(保
  険会社にあっては4月)を経過す
  る 日」までにされた定期給与の
  額 の改定(3月経過給与という) 











(令69@一)


 同左









  「継続して毎年所定の時期にされる
 定期給与の額の改定で3月経過日等
 後にされることについて特別の事情
 があると認められる場合が含まれた。
 (令69@一イ)
A
 臨
 時
 改
 定
 事
 由
 規定なし  臨時改定事由とは、その法人の役員
  の
  (1)職制上の地位の変更
  (2)職務の内容の重大な変更
  (3)その他これに類するやむを得な
  い事情をいう。
  とされた。
 (令69@一ロ)
B
 業
 績
 悪
 化
 改
 定
 事
 由
 1経営の状況が著しく悪化したこと
  2その他これに類する理由

   上記1および2により定期給与の
  額の減額改定がされた場合にお
  ける当該事業年度のその減額改
  定前、減額改定以後の各支給時
  期における支給額がそれぞれ同
  額である定期給与

  個々の事情により判断するが
   (1)資金繰りの都合
   (2)業績目標を下回った
   (3)前年実績を下回った
  等は上記2の理由には当たらない
  (令69@二)
  同左
   同左

   改正前は改定の前後で定期給与
の額がそれぞれ同額であるものに限
定(事業年度内1回の改定のみを想
定)
   








 (令69@一ハ)
 
      特別の事情………………  例えば全国組織の協同組合連合会等でその役員が 
                        下部組織である協同組合の役員から構成されるため、
                        下部組織である協同組合の総会等の終了後でなけれ 
                        ば協同組合連合会の役員や給与が決まらない場合や、
                        上場会社の子会社で親会社の総会後でなければ子会
                        社の役員や給与が決まらない場合等が該当するものと
                        考えられます。このように、継続して毎年一定の時期に
                        行われる定期給与の改定で特別の事情によるものであ
                        れば、利益調整等の恣意性があるとは認められないこ
                        とから、通常改定とすることとしたものです。

      職制上の地位の変更……… 職制上の地位とは、社長、専務や常務などいわゆる
                        法人における役職をさすことから、例えば、社長の急 

                       逝等による他の役員の昇格等が該当します。

      職務の内容の重大な変更… 例えば組織再編により役員の職制上の地位が変わら

                       ないがその職務内容が大幅に変更されるもの等が該当

                       するものと考えられます。

     このように、臨時改定事由による改定は「特別の事情」による改定とは異なり、事業年
     度開始の日から3月経過日等によるもので、利益調整等の恣意性があるとは必ずしも 
     言えないものについても定期給与の額の改定として取り扱うことを明示したものでありま
     す。


    2 事前確定届出給与

     事前確定届出給与は、「事前」にその役員に対する給与の支給時期、支給金額が定
     められているものにつき、税務署長への届出によりその定められている事実を確認す 
     るものですから、その役員の業務を執行を開始する日までに「所定の時期に確定額を 
     支給する旨の定め」が定められているものに限られます(従来の利益処分による賞与 
     のように、職務執行機関開始前に支給金額などが定められていないものは、事前確定
     給与に該当せず損金の額に算入されません)。

     したがって事前確定届出給与については次の手順を踏むこととなります。


     @ まず、その役員の職務につき「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」を定め

     A次いで、所定の事項を記載した書面を所轄税務署長へ「届出」をし

     Bその後、職務の執行の「開始」

    平成19年度の改正において次のように届出期限の改正が行われています。
   
区分
18年度改正
19年度改正
1 通常の
   場合
@ 事前確定給与にかかる職務の
   執行を開始する日








 A 当該事業年度開始の日の属す
   る会計期間開始の日から3月(保
   険会社は4月)を経過する日

   上記@とAのいずれか早い日が
   届出期限となります。

  なお、平成18年4月1日以後最初に
  開始する事業年度において、上記
  いずれか早い日が平成18年6月30
  日以前となる場合には、届出期限
  は平成18年6月30日となります。













 (法34@二、令69A)
@ 株主(社員)総会またはこれに
  準ずるもの(以下「株主総会等」と
  いう。)の決議により「定め」をした
  場合には、その決議をした日から
  1月を経過する日
   *決議をした日前に業務執行が
  開始されている場合は、業務執行
  開始の日から1月を経過する日

 A 当該事業年度開始の日の属す
  る4月(保険会社は5月)を経過す
  る日

   上記@とAのいずれか早い日 
  が届出期限となります。

 (注1)  株主総会の委任を受けて
  各役員の個別支給額を定める取
  締役会の決議は、株主総会等の
  決議に該当することになります。
 (注2)  注1の取締役会において 
  各役員の個別支給額の決議をす
  るような場合には、「決議をした 
  日」は、取締役会において決議を
  した日になりますが、「職務執行 
  開始日」は、通常は、選任決議を
  する株主総会の日と解されるた 
  め、株主総会の日後に取締役会
  で上記の決議をしたときは、職務
  執行開始日が先行することになり
  ます。


 (令69A一)
2 臨時改
   定事由
   により
   新たに
  事前確
  定給与
  の定め 
  をした 
  場合
 規定なし   次の(ア)と(イ)のいずれか遅い
  日から1月を経過する日

  (ア) 臨時改定事由が生じた日 
     から1月を経過する日
  (イ) 前記@、Aの日

 * この届出は、臨時改定事由によ
  りその事由にかかる役員の職務 
  につき新たに事前確定給与の定
  めをした場合に限られます。
  
 (令69A二)
3 臨時改
  定事由
  等に起
  因して 
  直前届
  出を変 
  更する 
  場合
  規定なし   事前確定給与について既に届 
  出(以下「直前届出」といいます。)
  をしている法人が、その直前届出
  に係る定めの内容を変更する場 
  合において、その変更が次に掲 
  げる自由に基因するものであると
  き(業績悪化改定事由に基因する
  変更にあっては、減額するときに
  限ります。)は、前記1,2に係わら 
  ず次のようになります。

  (ア)臨時改定事由
     その臨時改定事由が生じた
    日から1月を経過する日

  (イ)業績悪化改定事由
     その業績悪化改定事由によ
    り事前確定給与の定めの内容
    の変更に関する株主総会等の
    決議をした日から1月を経過す
    る日。ただし、直前届出に係る
    支給の日が変更決議後1月を
    経過する日前に到来する場合
    には、その支給の日の前日
  
 (令69B)

    3 損金の額に算入することができる利益連動給与については、改正がないため 
     省略します。

      なお、適用に際しましては、念のため条文等ご確認いただくようお願い申し上げま 
    す。


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