固定資産の減損と税法

 1 企業会計における減損損失と法人税法の評価損について

   固定資産について所定の事実が生じ、時価が帳簿価額より下落した場合には、企業会計では減損損失、法人税では評価

  損の計上が認められています。両者の規定の仕方を比較してみると

企業会計の減損損失
法人税法の評価損
(1)資産が使用されている営業活動から生じる損益また

 はキャッシュフローが、継続してマイナスとなっているか、

 あるいはマイナスとなる見込みであること

(2)資産が使用されている範囲または方法について、そ

 の資産の回収可能価額を著しく低下させる変化(資産

 が使用されている事業の廃止、再編、当初の予定より

 著しく早期の資産の処分、資産の用途変更、資産の遊

 休状態等)が生じたか、あるいは生ずる見込みである

 こと

(3)資産が使用されている事業に関連して、経営環境が

 著しく悪化したか、あるいは悪化する見込みであること

(4)資産の市場価額が著しくしたこと

等の減損の兆候が生じた場合に認識します。


(企業会計基準委員会・平成14.8.9「固定資産の減損に

 係る会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準注解

 」)
(1)固定資産が災害により著しく損傷したこと

(2)固定資産が1年以上にわたり遊休状態にあること

(3)固定資産が本来の用途に使用できないため他の用

 途に使用されたこと

(4)固定資産の所在する場所の状況が著しく変化したこ

 と

(5)上記(1)〜(4)に準ずる特別の事実が生じた場合

に評価損を計上する事ができます。













(法法33A、法令68@三)


 2 このように、企業会計の減損損失は、資産の収益性や経営環境の変化、市場価額の下落等の経済的な観点から認識

  する事に対し、法人税法における評価損は、その資産事態に客観的、物理的な事由が生じた場合に限って計上する事が

  出来ます。単なる経営環境の悪化などによる市場価額の下落だけでは認められません。

 
  参考文献:成松洋一著 税務上の評価損の実務事例集

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